【書評】ユニクロ帝国の光と影(横田増生)

 
僕が学生の頃、ユニクロというのは「ダサい」の代表格だった。「一つの季節が終るくらいまでなら使える」と言われるくらい素材も酷かった。
ところが今は知る通り、価格に見合わない高品質を誇っている。

この前見かけた「STETECO(ステテコ)」なんて、僕なんかは祖父から耳にしたことがあるくらいで、年寄りが着るものであり「ダサい」の最上級だった。それをオシャレに売り出しているところにも面食らった。いや、これが実際にどれだけ売れているのかは知らないが。

ユニクロをt着ていることがバレてしまう「ユニばれ」にならないように、トップスに着ていることは少ないだろうが、表から見えることのない下着類に関しては「ユニクロで揃えてるよ」なんてことは多いのでないかと思う。

アルバイトの時給は、僕の住んでいる地域では950円くらいで、他のアパレルが850円くらいであることを見ると、かなり高い。店舗へ行けば質の高い接客を受けることから、「あぁこりゃ働くとなったら厳しいだろうな」とは思っていた。

僕は、高品質なサービスというのは大抵ブラックであると思っている。質の高いサービスを受けるほど、そのサービスを提供する側の心労を考えてしまうから、心からそのサービスを楽しめないところがある。

このユニクロの裏側を、独自の取材で暴いている。
他の関連書籍は、光の部分を書いていることが多いが、この本は影にスポットを当てている。

店長がサービス残業しなければ回らず時給換算すればアルバイトの方がマシだとか、3年でほとんどの従業員は辞めているだとか、CEOの柳井正が後継者育成に二度も失敗していて経営権を手放す気がないだとか、工場の中国人労働者の24時間労働であるとか、百貨店もビックリするような鉄のマニュアルだとか、バシバシ書かれている。

人の心の通わない、仮初の笑顔とサービスはこうやって作られるのだと考えさせられながら、ユニクロに足を運んでもらえれば、また一興かもしれない。

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