「リリエンタールの末裔」「マグネフィオ」「ナイト・ブルーの記録」「幻のクロノメーター」
以上の、上田早夕里さんの4つの作品集。
作品ごとに共通点はなく独立していて、総評を書くことは難しい。一つ一つがしっかりした世界観のもとに描かれているので、一編よみ終えるたび深く入り込んだ意識を現実に引き戻し、自分の中で咀嚼した上で、次の世界の扉を開くのには時間がかかった。
Posted at 8月 11, 2014
「リリエンタールの末裔」「マグネフィオ」「ナイト・ブルーの記録」「幻のクロノメーター」
以上の、上田早夕里さんの4つの作品集。
作品ごとに共通点はなく独立していて、総評を書くことは難しい。一つ一つがしっかりした世界観のもとに描かれているので、一編よみ終えるたび深く入り込んだ意識を現実に引き戻し、自分の中で咀嚼した上で、次の世界の扉を開くのには時間がかかった。
Posted at 8月 06, 2014
三崎亜記さんの、第17回小説すばる新人賞受賞作。
何はともかく、となり町との戦争、である。レクリエーションでもオリエンテーションでもなく、人が死ぬ本物の戦争だ。
「となり町」という単語から連想されるイメージは、とても呑気で退屈、日々の生活の延長であり、そこには殺伐としたものは一切ない。表紙絵の、突き抜けるようにのどかな空を見ていたから、虚をつかれた。
Posted at 7月 14, 2014
川上弘美さん著、ある商店街に住む人々の、十一の短編からなる悲喜こもごもの物語。
一つの短編ごとに、商店街の住人である主人公がいて、彼らの生活や一生が描かれている。他の編で一文だけ登場した何気ない人物(そばを通り過ぎるだけだったり、職場の同僚であったり)が、後の短編では主人公として、秘められた思いが告白されていく。
読み進めるにつれ、街に住む人たちの多様な人生が見えてくるようになっている。
物語というより、彼らの記憶だ。
Posted at 7月 13, 2014
鴉(カラス)たちの生き様を描く、じのんさん jinon@twitter の短編小説。
Kindleアプリで初めて読む小説となった。
カラスたちの恋愛事情、縄張り争い、プライド。言ってしまえばコレだけなのだが、(短いだけでなく)どうにも読み進めずにはいられない感触を受けた。どこか既視感のようなものを感じたが、カラスという姿を取り去ってみれば、例えば荒野に住む人間の部族(モンゴルとか)の生き様に近いのかもしれないと思った。
Posted at 7月 10, 2014
僕が学生の頃、ユニクロというのは「ダサい」の代表格だった。「一つの季節が終るくらいまでなら使える」と言われるくらい素材も酷かった。
ところが今は知る通り、価格に見合わない高品質を誇っている。
この前見かけた「STETECO(ステテコ)」なんて、僕なんかは祖父から耳にしたことがあるくらいで、年寄りが着るものであり「ダサい」の最上級だった。それをオシャレに売り出しているところにも面食らった。いや、これが実際にどれだけ売れているのかは知らないが。
Posted at 7月 09, 2014
自称オタク出身、ロスジェネ世代・精神科医(シロクマ先生)、熊代 亨の一冊。
象徴的な言葉に「思春期ゾンビ」というものが提示されている。いつまでも若々しいままで、若さにしがみついて、若くないものは悪しきもの、とでもいうような、思春期を引き摺ったままのコトを言う。