SimilarWebのデータはどの程度正しいのか

競合サイトや自分のサイトのことをもっと知りたいとき、そういう解析・診断ツールは世の中には沢山ある。

問題は信頼性だが、自分のサイトは自身のアクセス解析が一番なのは言うまでもなく、たいていの外部の解析ツールは「何となく分かった気持ちになって、お茶を濁し、気分を落ち着かせる」というような参考程度のものである。

昨年からよく聞くようになった「SimilarWeb(無料版)」がどの程度使えるのか、re.Find2ch で見てみることにした。

SimilarWebのPVは、あまり参考にならないと思ったのだが…

SimilarWebでは、2015年1月の「refind2ch.org」のPV数は、「Estimated Visits 120K x Page Views 1.68 = 210K」で、21万となった。

Google Analyticsでは60万くらいであるから、実際の数値からはかけ離れている。

……と思ったのだが、よく見ると、SimilarWebのEngagementには「On Desktop, in January, 2015」と書かれており、つまりコレはPCのみのデータと言うわけだ。
【16/04/01修正:現在は全デバイスのデータに変わっている】

改めてGoogleAnalyticsでPCのみのページビューを出したところ「20万」であった。殆ど差はない。

意外にも正確なのかもしれない。

SimilarWebは何処からデータを得ているのか

去年、2014年8月に、サイボウズ・ラボの秋元さんがこんな記事を書いていた。

「AWESOME SCREENSHOT が閲覧したサイトのURLを収集している疑い」

Chromeブラウザ用のスクリーンショット・ツールとして有名な Awesome Screenshot 拡張に、ユーザーの同意無しにユーザーがどのページに訪問したかをネットのどこかに送信する機能があるようです。

Awesome Screenshot とは、Diigo社のGoogle Chrome 拡張機能で、サイトのスクリーンショットを取る機能を提供するもの。これが、ユーザの訪問したページをユーザの同意なしに、どこかのサーバに送信しているというのだ。そして、それを SimilarWeb に利用していると。

Chrome Web Store の Awesome Screentshot ページを見ると、140万人の利用者がいる)

そういえば、今は風前の灯のような Alexa は、Alexa の機能拡張をインストールしているブラウザから情報を集めているという話もあるので、似たようなことをしていてもおかしくない。

Google AnalyticsをGoogle Chromeを使っている訪問者に絞ってみた

Chromeを使っているユーザのページビューは、14万くらいとなった。

ここを見ると「SimilarWebの数値は実際のアクセスの1.5倍くらいになる」と検証されているが、SimilarWebでは21万であったから、これに非常に近い形となった。

SimilarWebの流入元分析は、実際に割りと近い

Chromeユーザの流入元(Google Analytics)は、Search 65%・Referral 16%・Direct 17%。

Chromeユーザの流入元

一方、SimilarWebでは、Search 50%・Referral 16%・Direct 32%。

SimilarWebで見た流入元

正確とまではいかないが、傾向は見て取ることはできる。サイトに訪れる全ユーザをトラッキングできていなくても、標本の数が増えれば母集団の形が見える(標本抽出)というものである。これは、自分以外のサイトを調べるときにも参考になるはず。

ここには載せないが、リファラ元も割りと実際に近いデータが得られた。

ところで、さきほどの記事によると 「Awesome Screenshot で送信しているのは URL のみ」 ということだったのだが、今見ているサイトのリファラなども送信しているのだろうか? だとすると、それはそれで怖い気がする。(まぁ、Google には全て筒抜けなわけですけども)

「AWESOME SCREENSHOT が閲覧したサイトのURLを収集している疑い」

この拡張、URL以外のもの、例えばwebサイトで入力した内容までも送っているのでは、と言っている人もいますが、Jacq さんの調査ではURLしか送られていないようだということ。

まとめ

  • SimilarWebのPV数は、PCのユーザか、Google Chrome(かつAwesome Screenshotをインストールしている)で見ている人のもの?
  • 流入元の傾向やリファラは実際に割りと近い

Chromeのユーザのうち、どの程度がAwesome Screenshotを使っているのかは分からないが、わざわざデフォルト以外のブラウザを使うということは一応PCに詳しいユーザであり、便利な拡張機能は沢山インストールしていると考えられる。

標本抽出で推定していると思われるから、アクセスが多いサイトほど正確なデータが得られるのでは。

PRO版ではもっと詳細なデータが見れるみたいですが、いやはや怖いものですね。

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